膠原 病 皮膚 筋炎。 膠原病からの皮膚筋炎は寿命を縮めるの?完治方法はあるの?

皮膚筋炎の症状・診断基準・予後・治療法 [膠原病・リウマチ] All About

膠原 病 皮膚 筋炎

多発性筋炎・皮膚筋炎とは 多発性筋炎・皮膚筋炎は筋肉の により、筋肉に力が入りにくくなったり、疲れやすくなったり、痛んだりする病気です。 また、手指の関節背側の表面ががさがさとして盛り上がった紅斑(ゴットロン )、肘関節や膝関節外側のがさがさした紅斑(ゴットロン徴候)、上眼瞼の腫れぼったい紅斑(ヘリオトロープ疹)などの特徴的な皮膚症状がある場合は、皮膚筋炎と呼ばれます。 なお、ゴットロンは医学者の名前、ヘリオトロープは紫色の花を付ける可憐な植物の名前ですが、日本人のヘリオトロープ疹が紫色になることは殆どありません。 この病気は、膠原病と呼ばれる病気に含まれます。 膠原病には、多発性筋炎・皮膚筋炎以外に、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、 性多発動脈炎などの やリウマチ熱が含まれます。 そもそも、心臓病とか肝臓病とかいう言葉と違い、膠原病というのはわかりにくい言葉です。 昔、肉眼や顕微鏡による内臓組織の観察を行う病理学が進歩しつつあった時代、色々な病気の症状が特定の内臓の障害によってもたらされることがわかってきた時がありました。 しかし、膠原病に属する病気は、色々な内臓に障害があり、不調の原因となっている臓器を特定することができませんでした。 しかし、クレンペラーと呼ばれる病理学者は、顕微鏡観察の結果、皮膚を含む様々な場所のコラーゲン線維に異常があることを見出しました。 コラーゲンと膠原は同じです。 そこで、これらの病気は、コラーゲンの異常だろうと判断されて膠原病と総称されるようになりました。 でも、現在では、後で述べるとおり、自分の臓器に免疫反応が起きていることが原因とわかっています。 多発性筋炎・皮膚筋炎でも、他の膠原病と同じく、筋肉と皮膚の症状以外にも様々な症状が現れます。 関節痛は頻度が高く、そのため、リウマチ性疾患に含められることもあります。 その他、肺も症状を起こしやすい臓器です。 なお、神経内科医は、多発性筋炎ではなく、多発筋炎と呼ぶこともありますが、同じ病気です。 この病気の患者さんはどのくらいいるのですか 多発性筋炎・皮膚筋炎は、膠原病のなかで、関節リウマチ、全身性エリテマトーデスに次ぐ患者さんの数と考えられています。 2009年度の厚生労働省特定疾患治療研究事業における臨床調査個人票を解析してみたところ、受給者総数は、17,000名と推定されました。 すなわちこれが我が国の患者さんの数となります。 1991年の全国 では、年間推計受療患者数は、約6,000名とされていましたので急速に増えています。 この数年でも、毎年1000から2000人の方が新規に発症しているようですので、今では20000人以上の患者さんがいらっしゃると推定されます。 この病気はどのような人に多いのですか 多発性筋炎・皮膚筋炎も他の膠原病と同様に、女性の患者さんが多いことがわかっています。 我が国の統計では男女比は、1:3です。 一般には、小児期 5-14歳 も小さなピークがあり2峰性分布を示すと言われますが、近年の小児医療助成制度の普及に伴い、特定疾患治療研究事業の医療費公費負担に申請する小児が減っているためか、臨床個人調査票による統計では小児のピークは明らかではありませんでした。 しかし、小児期では皮膚筋炎が多発性筋炎よりも多く、症状も特徴的であることが多く、小児の多発性筋炎・皮膚筋炎は成人とは少し違った病因を伴って発症しているものと思われます。 なお、地理的分布では差が見られませんが、発症はある時期に固まることが多いことは、多発性筋炎・皮膚筋炎患者さんを多く診療している医師が感じているところの様です。 この病気の原因はわかっているのですか 免疫は、病原微生物を退治して身を守るための防御システムですが、膠原病ではこれが自らの臓器を標的としてしまっています。 自己免疫と呼ばれる状態です。 多発性気炎・皮膚筋炎では、筋肉や皮膚などを、免疫力が攻撃しているのが原因です。 自己免疫は、いわば、軍隊の「友軍攻撃」ですが、なぜ、そのようなことがおきるのかは明らかではありません。 生まれ持った体質に微生物感染などの外からの出来事が加わって発症するものと考えられています。 この病気は遺伝するのですか 多発性筋炎・皮膚筋炎はいわゆる遺伝病ではありません。 しかし、自己免疫の起こし易さという体質は遺伝すると考えられています。 そのため同じ家族の構成員が発症したという例も報告されています。 しかし、ご家族で同じ様な筋力低下がある場合には、先ずは、筋ジストロフィーのような遺伝性の病気を疑う必要があります。 この病気ではどのような症状がおきますか 全身の症状として、倦怠感、疲労感、食欲不振があります。 稀ながら発熱をきたすこともあります。 筋肉の症状がほとんどの患者さんにみられ、皮膚筋炎では皮膚症状があります。 それ以外の症状も認めることがあります。 しかし、それらは全ての患者さんに起こるわけではなく、患者さん一人一人で症状は少しずつ異なります。 なお、筋症状は殆どなく、皮膚症状だけの患者さんもいらっしゃり、無筋炎性皮膚筋炎とも呼ばれます。 筋症状は徐々に現れるので、通常は症状の出た日を特定できません。 筋力の低下は、身体(胴)に近い筋肉に現れやすく、腕の筋力低下により、髪の手入れをしたり、洗濯物を干したりする時や高い所に物を上げる際に腕が上げづらい、太ももの筋力低下により、階段を昇るのが困難、座った姿勢から立ち上がりにくいなどの症状がでます。 首の筋力の低下により、頭が枕から持ち上げにくくなります。 さらに、喉の筋力が低下して、食べ物が飲み込みにくくなったり、むせたり、またしゃべりにくくなったりします。 食べたものが間違って気管に入りやすくなり、その結果、肺炎を繰り返すこともあります。 ごく稀に、心臓の筋肉も傷害され、その場合、不整脈や心不全症状を起こすことがあります。 皮膚筋炎では皮膚症状が出ますが、目立つのは顔の紅い皮疹です。 むくみを伴った紅い皮疹が眼瞼に現れ、ヘリオトロープ疹と呼ばれます。 他に、鼻唇溝、頭皮などにも紅斑が現れ、脂漏部位と呼ばれる部位であることから、脂漏性皮膚炎と誤った診断を受けていることもあります。 手指関節の外側に表面がかさかさして盛り上がった紅斑も皮膚筋炎に特徴的で、ゴットロン丘疹と呼ばれます。 肘、膝関節の外側にも盛り上がりはないものの同じような紅斑が現れ、これらはゴットロン徴候と総称されます。 その他、首から胸にかけてや、肩から上背部にかけての紅斑がでると、それぞれV徴候、ショール徴候と呼ばれます。 これらの皮疹はかゆみを伴うことが多く、初めはかゆみだけで始まる方もいます。 皮膚症状と筋症状以外では、他の膠原病でも現れる症状を伴うことが多くあります。 まずは、関節症状(痛み、腫れ)があります。 このため、多発性筋炎・皮膚筋炎はリウマチ性疾患という大きな範疇に含まれます。 しかし、関節リウマチと違って腫れが長期間続いたり、関節が壊れるようなことは殆どありません。 寒くなると手指や足趾が白く冷たくなる もよくあります。 しかし、強皮症と違って尖端に潰瘍ができたりすることも殆どありません。 合併しやすい病気のうち特に注意しなくてはならないのは間質性肺炎と悪性腫瘍です。 間質性肺炎は普通の肺炎と異なり、細菌やウイルスなどが原因ではなく、前述の自己免疫が患者さん自身の肺を攻撃する場合に起こります。 特に喉の痛みや痰などがないのに頑固に咳が出たり、運動時の息切れなどの症状となります。 特に、筋炎症状は乏しいのに皮膚症状が強い皮膚筋炎に合併する場合は、急速に間質性肺炎が進行する場合がありますので、出来るだけ早く治療しなくてはなりません。 悪性腫瘍(癌など)は、特に皮膚筋炎で合併しやすいものです。 多発性筋炎・皮膚筋炎を発症し、治療してから、見つかることもありますので、治療開始時とその後2年間は癌の有無をよく調べる必要があります。 この病気にはどのような治療法がありますか 治療は薬物療法が中心です。 ただし、患者さん毎に最良の治療法は異なりますので、主治医の指示通りに規則正しく服薬することが大事です。 日常生活では、治療開始時は安静が必要ですが、回復が始まってからはリハビリも必要です。 しかし、過度の運動は筋障害を悪化させる可能性もあり一定の見解はありません。 治療により筋炎が収まってきたら疲れない程度に運動をするのが良いようです。 食事は、バランス良く栄養をとることを心がけるべきですが、薬の副作用による食欲 に任せることは避けるべきです。 皮膚症状には、日光などの紫外線あたることを最小限にするようにします。 薬物は、主に副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)が使用されます。 皮膚所見も同時に良くなります。 重症例には、メチルプレドニゾロン0. 5ないし1gの点滴静注を3日間行うステロイドパルス療法を行うこともあります。 ステロイドは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、薬剤はこれに似た効果のあるものを化学合成したものです。 健常人では、一日にプレドニゾロン換算で2-5mgのステロイドが分泌されています。 本来の役割は、身体に対するストレスに対する抵抗力を与えるホルモンです。 第二次世界大戦中にドイツで兵士が過酷な状況(ストレス)に耐えられるようになる薬として開発されていたそうです。 実は、炎症もストレス反応のひとつなのでステロイドを服用すると炎症が抑えられるわけです。 しかし、これを沢山しかも長期間服用していると様々なことを引き起こすことがわかりました。 免疫力低下( )、糖尿病、胃潰瘍、精神変調、筋萎縮(ステロイド筋症)、白内障や緑内障、 、骨粗鬆症、食欲亢進などです。 このうち、免疫力を低下させる作用は、免疫力が過剰なために自己免疫が起きてしまっている多発性筋炎・皮膚筋炎の治療には好都合です。 高用量ステロイド療法は、炎症を収め、しかも原因となる免疫力も抑える作用もあり、一石二鳥の治療法です。 ステロイドは、多くの場合、初めは治療効果を重視して一日3分割服用とし、減量中は副作用軽減を目的として朝に多くなるように工夫します。 急速に減量すると をおこすことがあります。 一般に、筋力の回復は発病後間もなく筋力低下の強くない方ほど良好です。 しかし、ステロイド療法が無効の場合、減量によって再燃が認められる場合には、免疫抑制薬を併用します。 また、前述のステロイドのさまざまな作用が副作用として問題になってしまう場合には、初めからステロイドを中等用量 体重1kgあたりプレドニゾロン換算で0. ステロイドは、ステロイド筋症を起こすので、治療による筋力回復とは逆に働きます。 その他にも様々な副作用が必発のため、ステロイドの使用量を減らすためにも免疫抑制薬が併用されています。 現在、保険で認可されている免疫抑制薬は、アザチオプリン(イムラン、アザニン)、シクロフォスファミド(エンドキサン)です。 間質性肺炎を合併している患者さんでは、タクロリムス(プログラフ)も保険で認められています。 シクロフォスファミドは、強力な免疫抑制作用が魅力ですが、性腺機能不全を招いたり、長期使用で発がん性が問題となることもあり、間質性肺炎を合併竹刀限り欧米では殆ど使われていません。 外ながら、代わってよく使われているのは、メトトレキサートです。 海外では、シクロスポリンA(ネオーラル)やミコフェノレート(セルセプト)も用いられます。 ただし、メトトレキサートは、副作用として間質性肺炎を起こすことがあるので、元々、間質性肺炎を合併している症例への使用は慎重になされる必要があります。 皮膚症状だけの場合には、局所ステロイド薬治療が優先されます。 指尖にひび割れを伴うような痛みのある皮疹には、テープ薬により皮膚保護を兼ねることも出来ます。 それでも効かない場合には、保険適用外ながらタクロリムス(プロトピック)軟膏やさまざまな経口薬が試されますが、なかなか奏功しないことが多いです。 ユニークな治療法に、 大量静注療法があります。 ステロイド抵抗性の症例に保険適用のあるこの治療法によって、急激に筋炎を改善させることができる場合があります。 しかし、効果は一時的なので、他の治療法も併用して病気の活動性を抑える必要があります。 なお、合併症で急速進行性の間質性肺炎がある場合には、初期治療からステロイドに加えて免疫抑制薬を併用することが必要です。 この場合は、タクロリムス(保険適用)ないしシクロスポリンA(保険非適用)が使用され、必要に応じてシクロフォスファミドも併用されます。 悪性腫瘍が合併する場合、悪性腫瘍が存在する限り筋や皮膚症状が改善しにくく、悪性腫瘍の治療だけで多発性筋炎・皮膚筋炎が良くなる場合もあります。 そのため、積極的に悪性腫瘍の検索と治療をしなくてはなりません。 この病気はどういう経過をたどるのですか ステロイド療法は、9割以上の症例で効果を示しますが、大多数が日常生活に復帰します。 しかし、4割の症例で免疫抑制薬も併用されています。 生命が危機に瀕するのは、間質性肺炎や悪性腫瘍の合併例です。 特に急速進行性間質性肺炎では、ステロイド治療と積極的な免疫抑制薬併用が救命できる可能性のある唯一の治療法と考えられています。 なお、高齢者を中心に、炎症鎮静化後も筋力低下が残る場合が多くあります。 筋再生を高める治療法が必要ですが、現在のところ、リハビリしか方法がみつかっていません。 新しい治療法は開発されていますか 前項でご説明の通り、治療後も筋力低下が残るのが問題とされています。 これを防ぐために分岐鎖アミノ酸製剤を使った医師主導治験が現在行われています。 初めに治療するときから分岐鎖アミノ酸製剤を服用することで筋力低下を防ごうとする試験です。 分岐鎖アミノ酸には殆ど副作用はないので筋力回復があれば、新しい治療法として認められる可能性が高いと考えられます。

次の

皮膚筋炎と抗ARS抗体【抗ARS抗体症候群は抗体ごとに臨床症状が少し異なる】|Web医事新報

膠原 病 皮膚 筋炎

スポンサーリンク ここでは、「膠原病で皮膚筋炎の寿命」 についてお話します。 膠原病は、1つの病気ではありません。 免疫に異常を伴う疾患の総称なのです。 原因不明で難病とされる疾患のため、 診断された時にはどの位 生きられるのかと考えるの ではないでしょうか? そこで今回は、膠原病の中でも 皮膚筋炎の寿命について紹介します。 皮膚筋炎とは 皮膚筋炎、多発性筋炎は、 筋肉の炎症によって ・筋肉に力が入りにくい ・疲れやすくなる ・痛む などの症状が出る病気です。 また、皮膚筋炎は ・手指の関節背側の表面が カサカサとして盛り上がった 紅斑(ゴットロン丘疹) ・上眼瞼の腫れぼったい 紅斑(ヘリオトロープ疹) などの特徴的な皮膚症状が ある場合をいいます。 ヘリオトロープとは紫色の 花の名ですが、日本人の ヘリオトロープ疹が紫色 になることは殆どありません。 もちろん、皮膚筋炎でも 他の膠原病と同じく、 筋肉と皮膚の症状以外にも 様々な症状が現われます。 中でも関節痛は頻度が高く、 リウマチ性疾患に 含められることもあるのです。 その他、肺も症状をおこしやすい 臓器となっています。 皮膚筋炎の治療 治療は、薬物療法が中心となります。 薬物は主に、 「 」 でもお話したように、 副腎皮質ステロイド薬 ステロイド が使用されます。 筋炎に対しては一般に、 高用量ステロイド療法が 2〜4週間程度行われます。 そして筋力や検査所見をみて 有効な場合には減量し、 数ヶ月かけて維持量にまで 減量していく方法が典型的です。 これにより、皮膚所見も 同時に良くなります。 重症例には、メチルプレドニゾロン 0.5ないし1mgの点滴静注を 3日間行うステロイドパルス療法を 行うこともあります。 スポンサーリンク ただし、患者さんによって 最良の治療法は異なるので、 主治医の指示通りに 規則正しく服用することが大切です。 回復が始まってからは、 リハビリも必要となります。 また、治療により筋炎が 治まってきたら、 ・疲れない程度の運動 ・バランスのとれた食事 ・副作用にとる食欲亢進に 任せることは避ける ・日光などの紫外線に 当たる事を最小限にする など日常生活でも 注意していくことが重要となります。 皮膚筋炎の寿命 ステロイド療法を行うことで、 9割以上の症例で効果を示し、 大多数が日常生活に復帰しています。 ただし、4割の症例で 免疫抑制剤も併用されています。 そのため、皮膚筋炎の寿命は 一般の人と変わらないことが多いのです。 しかし、間質性肺炎や悪性腫瘍の 合併があった場合は、寿命が 短くなってしまうことがあります。 特に急速進行性間質性肺炎の場合は、 ステロイド治療と積極的な 免疫抑制約併用が、救命できる 可能性の唯一の治療法と 考えられています。 なお、高齢者を中心に 炎症沈静化後も筋力低下が 残る場合が多くあります。 この場合は、筋再生を高める 治療が必要となりますが、 今のところはリハビリしか 方法は見つかっていません。 このように、皮膚筋炎は ステロイド療法によって 寿命は長くいられるのです。 ただし、間質性肺炎や 悪性腫瘍などの合併症が 無い場合に限ります。 これらの合併症を伴う場合は、 予後も悪くなることが多いのです。 きちんと治療を受け、 できるだけ長く元気に生きていける ように努力していきましょうね。 スポンサーリンク.

次の

多発性筋炎・皮膚筋炎 (polymyositis / dermatomyositis: PM/DM)|慶應義塾大学病院 KOMPAS

膠原 病 皮膚 筋炎

「混合性結合組織病」とはどのような病気ですか 混合性結合組織病(Mixed Connective Tissue Disease;MCTD)は、1972年にアメリカのSharpらにより、膠原病の代表的疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)様、強皮症様、多発性筋炎様の症状が混在し、血液の検査で抗U1-RNP抗体が高値陽性となる疾患として提唱されました。 欧米ではMCTDは強皮症の亜型だとする意見が多かったのですが、最近では独立した疾患として再認識されてきています。 わが国では1993年に厚生労働省が特定疾患に指定したこともあり、MCTDの病名は広く受け入れられています。 この病気の患者さんはどのくらいいるのですか 個人調査票を基準とした調査では平成20年では8600人程度でしたが、平成27年では10800人を超える登録があります。 この病気はどのような人に多いのですか 性別では圧倒的に女性に多い病気です。 男女比は1:13〜16とされています。 年齢では30〜40歳代の発症が多いようですが、小児から高齢者まであらゆる年齢層に発症します。 この病気の原因はわかっているのですか この病気の方の血液中に自身の身体の成分と反応する抗U1-RNP抗体という ( )が検出されることから、自己免疫疾患と考えられています。 しかし、他の膠原病と同様になぜこのような自己抗体ができてしまうのか分かっていません。 また、抗U1-RNP抗体が自身の身体を傷害している証拠は得られておらず、MCTDの病態がどのように形成されるのかなどまだまだ解明すべきことがたくさん残されています。 この病気は遺伝するのですか MCTDの原因は不明ですが、その発症には遺伝的素因が関与すると考えられています。 しかし、MCTDそのものが遺伝するわけではなく、「この病気になりやすい体質が引き継がれる。 」程度に考えておかれればいいと思います。 この病気ではどのような症状がおきますか 1 寒冷刺激や精神的緊張により血管が収縮して、手指や足趾が蒼白化し、その後暗紫色、紅潮を経て元の色調に戻ります。 これを レイノー現象と呼びます。 血管の収縮は可逆的であり、数分から数10分の経過です。 末梢の血流が減ることにより生じますので冷感やしびれ感を伴います。 MCTDのほぼ全例で認められ、初発症状として表れることが多いとされています。 2 手指・手の腫脹 手指から手背にかけて腫れぼったくなり、指輪が入りにくくなります。 80〜90%に見られ、MCTDに特徴的な症状で病気の経過を通して見られます。 3 SLE様症状 SLEによく似た症状として、多発関節炎(約80%)、リンパ節腫脹(約30%)、顔面紅斑(約30%)、心膜炎・胸膜炎(それぞれ10%前後)が見られます。 関節炎は、時に関節リウマチと区別のつきにくい関節の変形を伴います。 腎 状(蛋白尿や血尿など)は20%程度に見られますが、SLEに比べて軽症でネフローゼ症候群や腎不全に至ることは少ないとされています。 4 強皮症様症状 強皮症によく似た症状として、手指に限局した皮膚硬化(約60%)、肺線維症(約30%)、食道運動機能の低下(約25%)などが見られます。 肘を越える皮膚硬化はまれです。 また、食道病変も含む消化管病変全体の頻度は60〜80%に見られます。 自覚症状としては食道病変があると、胸焼けや食べ物を飲み込む時のつかえ感が生じますし、腸の病変があると、便秘や下痢を起こしやすくなります。 また、間質性肺疾患では痰を伴わない乾いた咳や動いた時の動悸や息切れを感じることがあります。 5 多発性筋炎様症状 多発性筋炎によく似た症状として、躯幹に近い腕や脚の筋力の低下(約40%)を認めることがありますが、筋肉痛を自覚することは少ないようです。 階段の昇降に苦労する、しゃがんだら立ち上がれない、腕に力が入らず髪の毛をとかすこともできない、今まで持てていた物が持てないなどの症状が出てくることがあります。 しかし、全く立てなくなったり、寝たきりになってしまったりするほど重症になることはまれです。 6 肺動脈性 症 MCTDの10%内外に合併します。 生命に影響をおよぼす な合併症です。 疲れ易い、動いた時に動悸や息切れを感じるなどが初発症状となることが多いです。 病勢が強い時、MCTDを発症してから長期間が経過している時は肺動脈性肺高血圧症の症状の有無にかかわらず検査をすることで、肺動脈性肺高血圧症が軽いうちに発見されることもあります。 7 イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬の使用で、 無菌性髄膜炎が誘発されることがあります。 は不明でその頻度は高くはありません。 イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬の使用は避け、どうしてもの場合はアセトアミノフェンを使用されることをおすすめします。 また、MCTDの病気自体が無菌性髄膜炎を引き起こすこともあります。 8 三叉神経障害 MCTDの約1割に見られます。 他の膠原病で生じることは珍しく、MCTDに比較的特徴的な症状です。 顔の下の方に出やすく片側性です。 ピリピリした知覚障害や味覚障害が見られますが、神経痛をきたすことは少ないとされています。 この病気にはどのような治療法がありますか 1 治療の基本方針 MCTDは原因が不明ですので、原因に基づく治療を行うことができません。 その患者さんが有する最も重篤な病態に対して、副腎皮質ステロイドなどの免疫抑制療法が行われます。 2 レイノー現象など末梢循環障害 冷やさないことが大事です。 これは手足だけでなく、身体全体を冷やさないように気を付けて下さい。 たばこは血管を収縮させて症状を悪化させますので禁煙が必要です。 症状がひどい場合には血管拡張薬(カルシウム拮抗薬、プロスタグランディン製剤)や抗血小板薬が用いられます。 副腎皮質ステロイドにて効果が不十分な場合や重篤な副作用のため副腎皮質ステロイドの大量療法ができない場合には免疫抑制薬が用いられます。 近年、 難治性病態であるネフローゼ症候群、進行性の間質性肺疾患、中枢神経症状、肺動脈性肺高血圧症などに早期より積極的にシクロホスファミドの間歇大量静注療法が行われるようになってきています。 5 肺動脈性肺高血圧症 MCTDによる肺動脈性肺高血圧症には肺血管拡張薬が用いられます。 この15年程の肺動脈性肺高血圧症治療薬は著しく進歩し、プロスタサイクリン製剤(内服、持続点滴、吸入)、エンドセリン受容体拮抗薬(内服)、PDE-5阻害薬(内服)、グアニル酸シクラーゼ刺激薬(内服)など作用 機序 の異なる薬剤を併用することで治療成績が向上しています。 また、MCTD自体の活動性を伴う場合、肺動脈性肺高血圧症が発症して間もない場合には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬などの免疫抑制療法が効果を示す場合があります。 早期に発見して早期に治療することが重要ですので、MCTDと診断された場合には肺動脈性肺高血圧症の症状がなくても、定期的に心臓超音波検査を受けて下さい。 6 無菌性髄膜炎 非ステロイド性抗炎症薬など無菌性髄膜炎の誘発原因と疑われる薬剤が存在する場合は、薬剤の中止のみで軽快することもあります。 MCTD自体によって引き起こされている場合には、副腎皮質ステロイド治療が行われることが多いです。 多くは中等量の副腎皮質ステロイドに反応し、速やかな減量が可能です。 7 三叉神経障害 副腎皮質ステロイドの有効性は低いと考えられています。 特発性三叉神経痛に準じて、カルバマゼピン、フェニトイン、プレガバリンなどが用いられます。 この病気はどういう経過をたどるのですか MCTDの経過を追うと、SLEや多発性筋炎様症状は治療で良くなりますが、レイノー現象や手指腫脹、強皮症様症状は副腎皮質ステロイドが効きにくいため最後まで残ることが多いとされています。 また、副腎皮質ステロイドなどの減量中に を認めることもあります。 MCTDは が良好な疾患とされていましたが、1997年の調査で5年生存率が93. 7%と生命 の不良な方が存在することが明らかになりました。 死因としては感染症、中でも呼吸器感染症が最も多いのですが、肺動脈性肺高血圧症は死亡リスクを4. 5倍以上に高めることが分かっています。 この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか FAQに記載してありますのでご参照下さい。 用語解説 抗核抗体 細胞の中にある核の成分と反応する自己抗体。 多くの膠原病患者さんで陽性となる。 健常人でも少数ながら陽性で、年齢とともに陽性率は上昇する。 しかし、値が高い時には膠原病を疑う大きな根拠となるが、低い値の時には病気と関係がないことも多い。 自己抗体 自身の身体の構成成分と反応してしまう抗体。 本来、抗体は体内に侵入した外敵に対して作られ、身体を守っているのですが、その調節が乱れると自己抗体が出現し、身体に不都合な反応がおこってしまう。 これを自己免疫疾患と言う。 レイノー現象 手指などの血管が寒冷刺激などにより、けいれんを起こしたように縮み、血液の流れが途絶する。 その結果、「血の気」が失せて指の色が真っ白になったり暗紫色になったりする。 程なくして、血管のけいれん状の収縮が収まると元に戻る。 重篤 病状が著しく重いこと。 無菌性髄膜炎 細菌以外の原因でおこる髄膜炎。 ウイルス性髄膜炎を念頭に用いられることが多いが、他の病原体の場合もある。 また、膠原病など感染症以外の疾患で起こることもある。 難治性 治療に反応しないあるいは反応に乏しいこと。 特発性 特別な原因が見当たらないのに発病してくるもの。 原因不明のもの。 再燃 慢性的な疾患で、完全ではないが一旦治まっていた病気が、再び悪化、出現してくること。 再発は完全に治っていた病気が再び出現した場合に用いる。 生命予後 病気が生命に与える影響。 病気になった後の寿命の予測。

次の