リリルカアーデ ファミリア。 暁 〜小説投稿サイト〜: 夢のような物語に全俺が泣いた: リリルカ・アーデの思想2

#4 守りたいモノ 4

リリルカアーデ ファミリア

リリが連れてこられたのはとても豪華な一室。 ソーマ・ファミリアのような男臭く、そこらじゅうに汚れの目立つ広間出はなく、入室した者を安らぎに招くような感覚を覚えさせる温かい部屋。 そんな一室に、リリと向かい合って座るのは、私を連れてきたナノハ様と戦争遊戯に乱入し、あろうことか無双を繰り広げたユウジと言うラドクリフ・ファミリアの団長様。 「さて、大体の事情は聞いている。 ケイが何故動いたかも、そこそこに理解はしているつもりだ」 「今から話すことはね、リリルカちゃんの今後についてなの。 ソーマ・ファミリアを抜けて、その後どうするのかって言うのが今回のお話し」 わかっている。 今、リリの身柄はこの人たちの思うがまま。 「リリは…冒険者が嫌いです。 自分の事しか考えないし、サポーターを弱者と踏みにじる…最低な人達です」 「だがそうじゃない奴もいる。 在り来たりなことを言うようだが、人としての基本を重んじる者も少なくはない筈だ」 それは、そうなのだろう。 その結果、リリはケイ様に助けられ、ソーマ・ファミリアから救われ、今こうして温厚的に話をしているのだから。 「…だから、私は冒険者になりたいです」 「しかし自分にはその力も才能も可能性もない。 だからお前さんはサポーターになることにした」 「………はい。 でも、でもリリだって頑張ったんです! ステイタスを上げようと躍起になって努力してきたんです! それでも駄目だったんだから、諦めるしか無いじゃないですかぁ!」 「リリルカちゃん…」 「私はっ…!神様が何を思っているのか…わかりません! どうしていつもリリなんですか!私が何をしたって言うんですか! お父さんもお母さんも、誰一人見方になってくれる人がいなくて…こんなのってないですよ!」 「何を言うかと思えば…やれやれだな」 そう言うとユウジ様は徐に立ち上がり、私に向けて指を一振りしました。 その瞬間、私の体は何処からか現れたロープでぐるぐる巻きにされ、天井からぶら下がっていました。 「ふぇぇええ!?」 「なぁにを自分だけ不幸ですアピールしてやがる? そんな環境の奴は世界探せば五万といるんだよ。 何故逃げなかった?何故戦わなかった? それは一重にお前さんが弱かったからだ。 努力しても駄目だった?そんなもん努力の仕方が間違ってたにすぎん。 お前さんは自分の不出来な思いを誰かに擦り付けて楽になりたいだけの我儘小娘にすぎぼっほぅ!?」 ドンガラガッシャンッ! 今の今までリリの前で言葉を並べていたユウジ様は、突如横からの飛び蹴りに吹き飛び、本棚に激突しました。 やったのは勿論ナノハ様で、腰にてを当ててユウジ様を見下ろしてました。 「何しやがる元ブランコ少女!」 「言い過ぎなの!もっと言葉を選んでよ!泣いてるじゃん!」 「バカ言うな!泣いてるのは元々だろが! 大体、聞けば皆が歓喜すると言われる俺の有難いお説教が途切れちまったじゃねぇか!」 「誰も言わないし思いもしないの! て言うかブランコ少女って言わないでよ!」 「ブランコ乗りながら『私、不幸です』アピールしてた奴が何いってやがる!」 「もう怒ったの!今日こそ一太刀浴びせるんだから!」 「一蹴り貰ってるがな!」 そんなやり取りをした二人は、リリを置いて外へと出ていきました。 あれ?リリは放置ですか? 「あの二人は…変わらないと言うかなんと言うか…」 「あ…」 入れ替わりで入ってきたのは、あの時青い服装をしていた人だった。 「僕は葵 蒼也。 ユウジが言ったことは…まぁ言い方は酷かったけど誰にでも当てはまることなんだよ」 「でも、リリは…」 ソウヤ様は私に巻き付いたロープをほどき、ソファへと座らせてくれました。 外からドカンドカンと響いてくる音に気にしたそぶりを見せない辺り、何時もの事なのだろうか? 「取り合えず不幸でんでんな話は置いておこうよ。 それで、ユウジの話を引き継いで…君には3つの選択が用意されてる」 「選択…?」 「そう。 一つはファミリアのない状態で一からやり直す。 この場合、自分の足で歩いて、君を向かえてくれるファミリアを探さなくちゃならない。 それが何日掛かるか分からないけど、君が一人でやることになるだろうね」 ……そんなの無理に決まってる。 世間では盗人小人と広まり、小人族と見るや警戒をする事に徹底されてるのだから。 「二つ目はソーマファミリアに帰ること。 実質ファミリアは解体状態だけど、神ソーマは被害者だからね。 ファミリアは無くなっていないし、これから君が何とかしていけば取り繕うことも出来なくはない。 でもそのために割く時間や労力は計り知れない。 悪く言えば君が寿命を向かえても改善しない可能性が大きいんじゃないかな?」 ………ソーマ様はお酒にしか興味がない。 団員の顔や名前も覚えていないあの神様が、今更改善なんてあり得ない。 そもそも神様は人とは違って寿命がない。 時間なんて気にしないほどに趣味に没頭するに決まってる。 「そして三つ目。 そう言おうとしたのを遮られ、ソウヤ様は再び続ける。 「誤解が無いように言うのなら、僕らが君に求めるのは冒険者であってサポーターじゃない」 「それは…リリに冒険者に、サポーターじゃない冒険者になれ、と…そう言ってるんですか?」 「うん。 実際に君には素質が在るようだし、無かったらユウジも直ぐに追い返す…までは行かなくても乱雑に扱うだろうしね」 私に素質…そんなもの… 「自分に素質があるわけない。 そう思っている時点でお前さんはそこまでなんだよ」 「っ」 私の心を見透かしたように、入ってきたのはユウジ様だ。 ナノハ様が居ないようだが、どうしたのかは聞かない方が良いんだろうなぁ。 「まぁ元々一つしかない選択だ。 お前さんには冒険者以外の選択なんぞ存在しない」 「なっ…そんなの詐偽じゃないですか!」 「バカ言うな。 俺はお前さんの人生に光を射してやるだけだ。 言っておくが、お前さんはサポーターじゃなく、冒険者寄りだ。 信じる信じないは勝手だが、騙されたと思って着いてこい。 後悔はさせないし、少なく見積もってこの世界で言うlevel3の冒険者に到達させてやるよ」 「そんなの…無理に決って…」 「無理じゃねんだわ。 ほれほれ、どうする?」 この人は…今まで会ったどの人達よりも変人だ。 言葉は豪語の域で、傍若無人で、会話にいちいち覇気が籠る。 何故かこの人が言っていることが本当と思えてしまうほどに…こう言うのをカリスマと言うのでしょうか? 「……どうかリリを…強くしてください!」 私は、ここから変わることが出来るのでしょうか? もしも変われるのなら、次こそは絶対に幸せになってやります! 「あっはっは!だが、断る!」 「ユウジ…」 「……」 「いや、冗談だから…」 今から不安になってきました…………。

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【ダンまち】リリのリュックが気になる!!荷物多すぎじゃね?

リリルカアーデ ファミリア

リリルカside ハチマン様が奥の部屋に部屋に追いやられた後、私はこれから主神となるアテナ様と向き合う。 このファミリアに入る前に、私にはどうしてもしなくてはいけない事があったから。 「改めましてリリルカ・アーデと言います。 報酬がどれくらい出るかわかっていない、新人冒険者をカモにし報酬をちょろまかしたこと。 自分を信用して買い物を任せてくれた冒険者に定価の倍以上の料金をふっかけたこと。 良質な武器を持ってる冒険者がいれば、隙をみて武器を盗みお金にしたこと。 他にも今までの罪を洗いざらい吐露しつづけた。 「そう。 それで?」 「リリは懺悔を……」 「あぁ、もしかして。 神は全ての事を許すとでも思っていたのね。 当事者でない者に許すも何もないでしょう?それに懺悔してスッキリしようだなんて、それこそ傲慢で甘えすぎというものよ」 私が神に懺悔したようで、していないうえにただ自分が楽になりたかっただけ、という事を突きつけられ黙っているとアテナ様は再び口を開いた。 「あなたに私が問えるのただ一つ。 あなたは二度と同じ過ちを繰り返さないと誓えるかどうか」 「はい、誓います。 アテナ様に、ハチマン様に何より、リリ自身に。 リリはハチマン様に救われました。 もう決して裏切りません。 裏切りたくありません」 私は過去の過ちを背負いながら、これからも生きなければならない。 そしてこれからは自分のためにじゃなく、このファミリアの為にうごくのだと、心の底からそう思えた。 「そう。 服を脱いで、そこのソファーに横になって」 私は言われるがままに、ソファーにうつ伏せになり目を閉じる。 多分、改宗の儀は終わったんだろうけど本当に実感の得られないものだと私は感じた。 「終わったわよ。 それで本当によかったの?ハチマンわかりづらいでしょう?」 「わかりづらいです。 でも、本当に優しい人だと思います。 今まであった人の中で数少ない、リリをリリとして見てくれた人ですから」 初対面で名前を一度聞いただけの私の事を探し、挙げ句の果てに400万ヴァリスという 大金を私になげうってくれた。 そして私をサポーターだ、小人族だ、格下だという目線で見ずに一人として敬意をもって接してくれた。 信用できるかもわからないリリ自身を、信用しファミリアに入れてくれた。 「そう。 あと顔が真っ赤よ?もしかして惚れちゃったのかしら」 そうなのだろうか? 自分でもちょろすぎると思ってしまうけど、アテナ様の言葉は私の中にストンと落ちる。 「そうかもしれません」 「ハチマンはあの手この手で誤魔化すから、色々理由つけて強引に行きなさい。 そろそろハチマンも待ちくたびれているでしょうから、呼んで来てもらえる?」 「はい!」 私は服を着なおしたあと、ハチマン様の部屋の前にたちノックをする。 「ハチマン様」 反応がない。 もしかして寝てしまったんでしょうか。 「ハチマン様。 はいりますよー」 ドアを開けて目に入ったのは、ベッドと机に椅子、本棚くらいしかない簡素な部屋だった。 そして、ハチマン様は机に突っ伏して眠ってしまっているようで、かすかな寝息をたてている。 起こすには忍びないけれど、冷めたジャガ丸君を残しておくのもあれですし…… でも、こんな短時間で寝てしまうって事は相当お疲れの様ですし…… あと10分だけ待ってから起こしましょうか。 「リリは、気を遣える女ですからね」 私はそんな事を考えながら、ハチマン様の寝顔を見つめていた。 目を瞑ると元から整ってた顔が際立ちますね。 ドキドキしちゃいます。 なぜ、使えずにいたかそれには理由がある。 魔道書は深層心理を読み解き、本当に欲しい魔法が現れるとされているが、俺自身本当にどんな魔法が欲しいのかわからなくなってきているからだ。 遠い昔、俺はレベル5だったこともあったこと、絶対的な防御魔法を誇っていた事もあり護衛者として名を馳せていた。 当時から俺の事を舐めてかかる奴やいらなかったという奴はいたものの、防御範囲から大幅に出たりするものもいなかった。 そして、アストレアファミリアの時のような即死を除けば死者が出たケースはなかった。 だが、今はどうだろうか。 サポーターを始めたての頃は防御魔法を使えると伝えていた。 それでも俺の能力は変わっていないってのに、サポーターの魔法というだけで信用されず、魔法の範囲外からでていって怪我をしたりするもの少なくはない。 今日まで運良く死者が出ていないだけで、このままの状況が続けばいつ出てもおかしくない状況だ。 サポーターとしてやっていくならば有事の際の治癒魔法、今後は一人でやっていくのなら攻撃魔法だと考えているが、結局のところ怖いんだろう。 でも、今更ぐちぐち考えても意味がないのは俺自身わかっている。 結局のところ深層心理は自分で決める事ができないからだ。 「もうどうにでもなれ」俺は誰もいない部屋で一人つぶやく。 そして俺は魔道書を手に取り、神に委ねるかのように1ページ目を開いた。 —————————— 魔法は種族により素質として備わる先天系と、神の恩恵ファルナによって芽吹く後天系二つがあり、後天系の魔法は自己実現である。 俺はそのまま意識を失った。 ぼんやりとした暗闇の中から声が聞こえる…… 「欲するなら問え。 欲するなら砕け。 欲するなら刮目せよ。 虚偽を許さない醜悪な鏡はここに用意した」 その声は徐々にはっきりと、そして姿はくっきりと変わりだし俺のよくしる物へと変化していった。 そうそれは鏡。 俺の深層心理を映す心の声。 「じゃあ、始めよう。 俺にとって魔法って何だ?」 誰一人として同じ物をもたない、自分自身の唯一無二の力だ。 「俺にとって魔法ってどんなものだ?」 光……静かで安らかで暖かい……いつも影にいる俺には全く合わない、金色の光…… 「魔法に何を求める?」 救いの力を 「それだけか?」 それだけじゃない。 殻に閉じこもらず、影にも落ちない力を 守れなかったらで済まされない力を 「アストレアファミリアの4人が目の前で死んだ事が忘れられないのか?」 当たり前だろ。 冒険者は簡単に死ぬが、命が軽いわけじゃないからな。 「そうだろうな。 だから深層心理のお前はこんな力欲しているんだからな」 悪いかよ。 「いや、それこそ俺だ」 —————————— 遠くから声が聞こえる。 「ハチマン様!ハチマン様起きてください!」 俺の呼ぶ声が聞こえる。 俺はその声に呼び起こされ目を開けた。 「……アーデか?」 「はい。 そうですよ?もしかして、寝ぼけちゃってますか?」 アーデは、きょとんとした顔をして俺を見つめてくる。 使ってから深層心理とやらに落ちたってとこか? 「そうだな。 3000万ヴァリスを超える代物だ」 「リリには一生かかっても集められなさそうな額ですね……」 しょんぼりと俯くアーデやっぱ身長も相まって可愛いんだけど。 だが、俺の稼ぎがすごくてこれを持ってたわけでもない。 そこは否定はしておかないといけないだろうな。 「まぁ、これは貰い物だから別に俺が稼げたってわけでもないんだけどな」 「貰えるだけの評価を得てるのは凄いと思います。 普通の人はもらえませんから」 「だったら、俺がアーデに魔道書をいつかやるか。 入団祝いのはずだった装備は、へファイストスさんがくれることになって俺からのがなくなったからな」 へファイストスさんの打つ装備を一式とか、下手したら3000万ヴァリスを超える可能性すらあるんだよな。 それを考えれば特段おかしな出費でもない上に、ファミリアの戦力を底上げできると思えば安いものである。 「リリなんかに何でそこまでしてくれるんですか?」 「まぁ、あれだ。 アテナ様に女性には優しくしろと育てられたからな」 ちなみにこれは、幼い頃に捨てられた俺を我が子の様に育ててくれたアテナ様が、俺に言った数少ない約束事のようなものである。 「馬鹿何ですか?女性なら誰でも優しくするんですか?信じられません、最低です!ハチマン様のスケコマシ、女ったらし、スケベ、女の敵!ハチマン様!」 すごい納得いかないんだが。 あと俺の名前も悪口の流れで言われたけど、悪口じゃないからね? でもアーデは特別かもしれないな。 唯一の団員である上に…… 「じゃあ、命の恩人だからだ」 「ハチマン様は、命の恩人だからリリに優しくするんですか!?リリはそんな義務感じゃなく接して欲しいです。 それにリリもハチマン様に命を救われました!お互い様です!同等です!」 「俺はアーデを救った覚えはないんだが。 あれは…」 「ハチマン様の言い分なんて知りません!リリはあるお願いでこの事をチャラにします!恩人であるリリのお願いに拒否権なんてありません」 「お、おう。 そんなキャラだったか?」 突然どうしたのん? 「いいですか?リリの事はアーデじゃなくて、リリと呼んでください」 「いや、それはだな」 「拒否権はありません!あとジャガ丸君が冷めちゃいますよ。 行きましょう!」 それから俺はアーデ 「リリです!」 なに?心の声が聞こえてるの?それとも俺がサトラレなの? それから俺はリリにつれられ部屋に戻った。 まぁ、今日の所はジャガ丸君パーティでもするか。 俺はジャガ丸君の入った袋を開ける。 くそ、あの神様最初の2個忘れたな。 「「ぐーたら女神 ヘスティア様 !小学校からやり直せ 直してください !」」 「息ぴったりね」 [newpage] その夜、俺は魔道書でどのような魔法が発現したか気になった事もあり、パーティが終わった後アテナ様の部屋を訪れた。 「ハチマン、ステータス更新するのね?」 「魔道書を使ったんでどんな魔法が発現したから気になったんですよ」 「そう……じゃあそこの椅子に座って」 俺は服を脱ぎ、言われるがままに椅子に座る。 そして二人とも口を開かずあたりは静寂に包まれた。 「魔法が発現したわ」 詠唱 神アテナに仕えしニンフ達よ。 力をなし、領域を超え、誓いを護らんとするもの声を聞き届け恩恵を与えよ 『ポリウーコス』 ニンフは天使。 明日、ダンジョンにでも行って試してくるか…… 「あとそうそう、夜はロキファミリアのホームにいってね。 出発前に話したい事があるそうよ」 「わかりました」 明日は忙しくなりそうだ.

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6話:理由(リリルカ・アーデ)【ダンまち】TVシーズン1

リリルカアーデ ファミリア

迷宮都市オラリオ。 少々残念な神・ヘスティアの唯一の眷族となり、はや半月。 眼前には、5階層で遭遇するはずのない高レベルモンスター。 すくむ足、震える身体……恐怖と絶望に支配されたベルの前に、一人の剣士が舞い降りる……。 剣、魔法、魔物、そして神々。 それは、懸想(おもい)が続く限り、懸想の丈に従い、少年に著しい成長をもたらすものだった。 その能力を(アビリティ)、ベルの憧れの対象を知ってしまった神・ヘスティア。 彼女は複雑な思いを抱えたまま、神々の宴へと足を運ぶ。 「僕はもう、家族を失いたくないです」 モンスター・フィリアの喧騒の中、突如、脱走したシルバーバッグからの急襲を受けたベルとヘスティア。 しかし、奮闘むなしく徐々に追い詰められていくベル。 一方、不本意な形でベルに逃がされたヘスティアもまた走り続けていた。 「突然ですが、サポーターを探していませんか?」 急速な成長に伴い、ダンジョンの7階層にまで到達していたベル。 装備品も新調し、次なる冒険への準備をしているところにシアンスロープの少女、リリルカ・アーデに声をかけられる。 冒険者について回る雑事を一手に引き受けることを生業とするサポーターの彼女と、より冒険に集中し、ダンジョンの更なる深淵を目指すため、ベルは初めてのパーティを結成することになるのだが…。 リリの助力を得て、ベルの冒険は、これまでにないほど順風満帆な様相を呈していた。 戦闘に専念することで収入も増え、ファミリアの女神ヘスティアにも、ささやかながら恩返しができるほどに。 だが、そんな幸運をもたらしてくれたはずの、リリの周囲に漂う不穏な空気。 ひょんなことから手元に舞い込んだ魔導書(グリモア)から、遂に魔法の力を手にするに至ったベル。 着々と力をつけていくさなか、明らかになっていくソーマ・ファミリアの実態。 それは、奇跡の美酒に呑まれた狂信者たちの悲劇。 リリルカ・アーデもまた、そんな狂気の渦に巻き込まれたひとりであった。 ダンジョンでの出来事を経て、晴れてリリルカ・アーデとのパーティを結成したベル。 神ヘスティアの承認も受け、山積された難題は全て取りさらわれたかに見えた……。 「やっぱり闘おうか」 目の前にはベルが追い求め、未だやむことのない憧れを抱き続ける『剣姫』の姿。 神々にすら惜しみなき賛辞を送られる、その華麗で鋭い剣閃がベルに襲いかかる。 吐息さえも感じられる、アイズ・ヴァレンシュタインとの夢の様な距離、その間で舞い散る剣戟の火花。 かつて冒険者であった先駆者は、そう口にした。 アイズ・ヴァレンシュタインとの特訓の日々を通じ、アイズも驚愕するほどの速度で力をつけてきたベル。 そのベルが、次第にランクアップに興味を示すようになるのは当然の帰結であった。 いつもと同じダンジョン。 いつもと同じ冒険者としての日々。 ダンジョン探索も、中層という更なる境地を視野に捉え、ひとつの節目を迎える。 これまで以上に苛烈さを増すであろう冒険を前に、着々と準備を進めていくなか、「俺をお前のパーティに入れてくれ」 ヘファイストス・ファミリア所属、ヴェルフ・クロッゾとの新たな出会い。 そこは冒険者を困惑、混乱させ、死に至らしめることに長けた、死地と呼ぶに相応しい場所だった。 悪意すら感じられる迷宮構造、圧倒されるほどのモンスターの数と質。 更に少しの不運、期せず到来する人の悪意……少しずつ、気づかれぬよう密かに、ベルたちは真綿で首を絞められるかの如く追い詰められていく。 ダンジョンで消息を絶ったベルたちを捜索するため、有志の冒険者を伴いダンジョンへと潜ったヘスティア。 だが、彼女たちが中層に至ったとき、既にベルの姿はなく、一行は、ベルたちが更に奥へ進んだことを知る。 それは、ベルたちに残された最後の、限りなく困難かつ無謀とも呼べる選択肢だった。 モンスターが産まれない18階層『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』。 命からがら、安全地帯(セーフティ・ポイント)へたどり着いたベルたちは、そこでアイズを始めとするロキ・ファミリアの面々に迎え入れられることに。 無事、ヘスティア、リューたちとの再会も果たすことができ、慌ただしくも安息と平安の時間に身を浸し、傷と疲れを癒やすベルたち。 ヘスティアの力により、冒険者たちとのトラブルは収束したものの、安全地帯(セーフティ・ポイント)であるはずの階層に突如姿を現した階層王(モンスター・レックス)・ゴライアス。 その風体、そして強さは、多くの冒険者が知る常識をはるかに凌駕していた。

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